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AI人材が不足している!加熱する争奪戦!

さて、今回は「AI関係の人材」についてです。

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・AIエンジニアが、不足している!

研究者やデータサイエンティストなど、優秀なAI人材の争奪戦が過熱している。

Appleや米Googleら大手IT企業が続々とAIベンチャーを買収する中、国内でもAI(人工知能)に造詣の深い人材の獲得で各社が競争を広げている。

中でも、データ分析や機械学習の様々なコンペに参加できる米国発のプラットフォーム「Kaggle(カグル)」で優秀な成績を収めた「Kaggler(カグラー)」と呼ばれるデータサイエンティストたちの需要が高まっている。

エンジニア採用を強化するヤフーは、「エンジニアスペシャリストコース」で必要な経験スキルの一つに「Kaggleの単独参加でコンテストTOP10%の入賞経験」を明記しているほか、名刺管理サービスのSansanのR&D(研究開発)グループもKagglerの採用に積極的で、複数人のKagglerと、日本では数人しかいない「Grandmaster(Kaggle内の称号)」を二人抱えるという。

そんな中、ディー・エヌ・エーがAI研究・開発部門のデータサイエンティストの強化を図る為、業務時間中にデータ分析のコンペに参加できる「Kaggle社内ランク制度」を4月に導入した。

KaggleにはMicrosoftGoogleGoogleはKaggleを買収している)などの大手企業もコンペ主催者となり、多額の賞金を用意した。

参加者は、業務時間後や休日などのプライベートな時間を割いてコンペに参加する事が通例のようだが、ディー・エヌ・エーの制度があれば業務時間内での作業が許される。

「トップ3入賞5回、うち1回は単独入賞」という優秀な成績を収め、同社制度で「ランクSS」と認められれば、業務時間の全てをKaggleに充てられるという。

 

そこまでしても手に入れたいKagglerの魅力とは?

また、同社は熾烈なAI人材獲得競争をどう勝ち抜こうとしているのか?

・日本でも高まる、Kagglerの重要性

「Kagglerは会社にとって重要な存在だが、日本での知名度はあまり高くない。彼らの価値を日本でしっかり示したい」ディー・エヌ・エーAIシステム部の山田部長(システム本部)は、こう話す。

同社は、自動運転技術を使った宅配サービス「ロボネコヤマト」や、AIを活用したタクシー配車アプリ「タクベル」のほか、モバイルゲーム「逆転オセロニア」の開発・改良、プロ野球チーム「横浜DeNAベイスターズ」のチケット販売予測など、様々な事業でAI活用を検討している。

製品開発だけでなく、ディープラーニングなどの研究にも積極的に取り組んでいる。

山田部長によると、同社のAI系人材は、

(1)ディープラーニング系の研究者。

(2)各事業の課題を発見・改善するデータサイエンティスト。

の二つに大きく分かれる。

AIシステム部は50人ほどの組織で、分析部隊は各事業部にも偏在している

オートモーティブ、ヘルスケア、スポーツなど多岐にわたる事業を手掛ける中で、「一歩進んだ機械学習の活用が出来、事業への展開も含め、高い精度で予測モデルを構築したりできる人材が必要になってきた」と山田部長は語る。

例えば、天候・対戦相手・日時などの様々な条件を考慮し、横浜DeNAベイスターズのチケット販売予測モデルを機械学習を用いて構築するなどを検討している。

山田部長によると、優秀なKagglerは実際に企業が直面する課題に対して、精度の高い予測モデルを作る事に優れているという。

「アカデミックな知見を持つ人が、必ずしも実用的な事業にマッチするとは限らない。Kagglerは試行錯誤しながら様々なコンペに挑戦してきたので、企業が抱える問題に柔軟に対応できる人が多い」と山田部長は語る。

機械学習への知識だけでなく、実際の事業活用まで落とし込めるのがKaggle人材の強みだ。

山田部長は機械学習を使う問題に対する圧倒的な安心感があり、どれくらいの期間でどれくらいのレベルのモノがアウトプット出来るのかという見積もりも正確。PDCAを回すのが速く、普通のエンジニアが10時間かかる作業を1時間で終わらせることもある」と魅力を語る。

同社はMobageを始め、モバイルゲーム事業のノウハウを長年蓄積してきたが、ゲーム事業のデータ分析活用の在り方も変わってきたという。

・モバイルゲーム開発にも、AI活用の時代

同社は2010年にデータ分析組織を立ち上げ、今のAIシステム部は約50人の体制。

当時は機械学習を使わないビッグデータの分析などを行ってきた。

2009年に携帯電話向けプラットフォームMobage向けに提供したゲーム「怪盗ロワイヤル」が大ヒットし、プレイヤーの日々の行動ログを分析し、どうすれば長く遊んでもらえるのかを試行錯誤した。

おすすめゲームや友達・ニュース・広告などのレコメンドにデータ分析の手法を用い、一部機械学習も活用したという。

「2015年頃までは機械学習の利用は全体の2割くらいだったが、ここ数年でディープラーニングが世の中に与えた影響が大きく、一気にAI活用が進んだ」と山田部長は語る。

今はスマホ向け盤上ゲーム「逆転オセロニア」の開発にディープラーニングと強化学習を活用している。

AI研究者とKaggle「master(Kaggle内の称号)」のエンジニアが中心となり、AIエージェント同士を対戦させる事で知見を蓄積している。

山田部長は「他社もモバイルゲームのデータ分析などをしているが、より踏み込んで機械学習まで広く取り入れているところは少ないのでは」とし、「オセロニアの場合は、ゲームの中に立ち入って、どのコマをどのタイミングで取ったか、デッキの中身・対戦相手などプレイヤーの細かいログを見ている」と話す。

 

しかし、優秀な人材の獲得は、どうしても価格競争になりがちだ。

実際、大手IT企業はこぞって高額な報酬を提示して優秀なエンジニアを採用しようとしている。

サイバーエージェントも1月に、新卒入社するエンジニアを対象に初任給制度を廃止し、「能力給」を採用すると発表した。

山田部長は「高額な報酬だけでなく、魅力的な環境作りも大切」と強調する。

・AI人材にとっての、魅力的な環境とは?

「研究だけやりたい人にとって、ディー・エヌ・エーはそんなに魅力的な場所じゃない」と山田部長は笑う。

ゲーム・オートモーティブ・ヘルスケア・漫画アプリ・ライブ配信サービス・スポーツなど、様々な事業の問題に取り組め、実際に消費者が触れるサービスに関われるのが特徴で、「元々ビジネス分野に強い人材がいるので、社内のKaggle的な問題に集中でき、コンピューティングリソースも潤沢だ」と続ける。

ただし、多様なサービスや潤沢なリソースなどは競合他社も同様の環境を用意出来る為、今後は社内に「Kagglerが活躍できる制度を整え、成功事例を増やしていきたい」としている。

同社は2018年12月までに10人のKagglerチームを作る考えだ。

※キャリアアップは、こちらをご覧ください⇩